【本】美しすぎる愛蔵写真集「地球風俗曼陀羅」

本、映画、ドラマ

本が好きです。


写真や装丁などに惹かれます。
最近は小説やビジネス書などの実用書以外なかなか買わなくなりました。
けれど、若いころ手に入れて、
普段はながめることもないけれど、
手放すことはできない本があります。

タイトルの「地球風俗曼陀羅」もそのひとつです。

手仕事が好きです。

自分が手仕事をするのが好きなのではなく、
手仕事で作られたモノが好きなのです。
特に「刺繍」や「細密な切り絵」が好きなのです。

この本はそんな手仕事であふれています。
各地の民族衣装や独特のファッションに満ちています。
なぜこんなに美しい刺繍が各地でされるようになったか?
たくさんの装飾は何のために発展したのか?
そんな疑問を持ちつつ美しい写真をながめるのが心地いいのです。

浜野安宏ファッションジオグラフィティ
地球風俗曼陀羅[新装版]
構成・文 浜野安宏
撮影   内藤忠行

発売は1997年。

写真は今から40年ほど前の
1980年に撮影されたものと
いうことです。

この記事を書くためにこの写真集を開き私が思ったことは、
「もうこの写真のような風景はほとんどなくなっているのだろうな」
部族的社会のもつ特徴が平均化されているのではないかと懸念して寂しい気持ちでした。
けれど、浜野さんは別の気持ちでこの本を作られたようです。

以下、本書のあとがき部分から一部を抜粋して転載します。

地球風俗曼陀羅 未来人と会うための旅から 浜野安宏
未来の未来は現代にある。
だからヨーロッパ、アメリカ中心主義の物質文明が反省期を迎えた今日、文化的地平の延長線上に未来をとらえようとするならば、文明(ヨーロッパ文明)前社会のライフスタイルや風俗は充分に未来のヒントになり得るはずである。否、それどころか、ヨーロッパ文明に侵されなかった部族社会にこそ、本当の未来が先取りされているのである。
文明後の時代は部族社会とよく似てくることは明白なのだが、これは決して文明を否定するものではない。わたしの文化論は人間と自然環境にとって良質な文明の高度な発展の結果再び人間は平和な部族的社会へ回帰することができるようになるという考えを基本にしているのである。
”ルーツ・フォー・ザ・ヒューチャー”はすぐれた科学技術によって可能になる。信じられる都市文明を駆使して、最も人間にとって理想的なライフスタイルを未来に語り継ごうというのである。私は夢の未来遊びをしようとしているのではなく、きわめてまじめなオルタナティブ——代替案を探そうとしているのである。
「未来人に会うための旅」はそのために企んだものであり、したがって私のたびかさなる地球遍歴からの実感だけで目的地を選んだものである。しかもそれは全くはずれていなかったと思っている。
この写真集に収録されているのは事実だけである。少なくとも1980年にこの地球上のどこかで、これらの人々や自然や街や神々が私と出会い、語らい、見合いをしたことは確かなのである。
いまヨーロッパ主義という一つの地方主義が消滅しても、やけくそで原水爆さえばらまいてくれない限りここに元気のいい顔を見せてくれている人々は、いまとまったく同じように、いやもっと幸せに生きぬいて行くのにちがいない。

浜野安宏ファッションジオグラフィティ「地球風俗曼荼羅」より抜粋

わたしはこれを読んで実際は少し違った経過をたどっているような気がしました。
人間と自然環境にとって良質な文明の高度な発展の結果再び人間は平和な部族的社会へ回帰することができるようになる
もしもこの前提が正しいのだとしたら、これから文明は良質になり平和な部族的社会へ向かう。その途上にあると思いたいです。

では今日もぼちぼち行きましょう。

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